これは、昔のジョジョをノベライズしてツッコミや感想を書いたコーナーです。

ダービー・ザ・プレイヤー その3
扉絵はダービー弟
南の島(DIO館の幻覚スタンド?)の海岸の美しい風景の中、ひとり木陰ですました顔をしている
ドドオオオォォォ
洋上の孤島を上から見た図
変な木、立ったドア、真ん中にテーブツとイス4つ
テーブルの上にはモニター4つ
ドアのそばに戸棚
ダービー弟が中央近く、承太郎たちは端っこの方で中央を見ている
バアーッ
「この潮風・・・・・・」
ジョセフがつぶやく
「・・・・・・・・」
ダービー弟は黙っている
ギュッ
砂浜を踏みしめるジョセフの足
足元にカニ2匹
カサカサカサ
カニは海の中に入る
岩場にいるウニに近寄るカニ
バシャアッ
ジョセフの足に打ち寄せる波
「この海水の濡れた感覚・・・・・・」
ジョセフがつぶやく
「・・・・・」
頭を寄せ合っている承太郎と花京院
「このリアリティー 迫真すぎるぞ・・・こ・・・ここは・・・」
「なにかお飲みになりますか? もちろん この飲物類は本物です 毒も入っておりません」
ダービー弟が言う
そばの小さな丸テーブルの上に2本のビン
「館の中か?ここは?」
ジョセフが聞く
「そうです」
頭を垂れて答えるダービー弟
「・・・・・・・・館のどこだ?」
また聞くジョセフ
「それは言えません」
答えるダービー弟
「地下か?」
ただそこに立っているだけのドアに向き合ってジョセフが言う
「そうかも・・・・・・・」
曖昧な答え方をするダービー弟
チャッ
ジョセフはドアを開けてみる
ワクの中にあるドアが開くがその向こうもやっぱり浜辺の風景
「『スタンド』か?この幻覚は?」
ジョセフが聞く
「そうです」
答えるダービー弟
「きさまのスタンド能力か?」
ジョセフが聞く
「ちがいます」
不敵な笑みを浮かべて答えるダービー弟
「DIOのか」
ジョセフが聞く
「ちがいます」
「誰のだ?」
「いう必要はありません」
「SPW(スピードワゴン)財団の情報によると あと2〜3人のスタンド使いがいるらしいが そうか?」
ジョセフはダービー弟を問い詰める
「言う必要はありません」
答えないダービー弟
「『いえない』という答えが多いな」
ジョセフが言う
「ウソをついてもかまわないのですよ しかし私は兄のようにウソをついたりだましたりしないからです」
ダービー弟の言葉に承太郎がつぶやく
「・・・・・・・・・・・・・・・・フン」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ピクッ
黙っているダービー弟のこめかみのあたりが動く
「つまりこういうことか?『我々はおまえを倒さないかぎり先へは進めない・・・・・・・』」
ジョセフが聞く
「Exactly(エグザクトリー そのとおりでございます)」
気をつけの姿勢から丁寧に腰を曲げておじぎをするダービー弟
ググオオオォオ
「このていねいすぎる態度・・・神経にさわる男だ」
花京院が言う
「・・・・・・・・・・・」
承太郎は黙っている
「わしらをとじこめたつもりで・・・・・・自信満々らしい 一対三ということを忘れているのか?急いでいるので3人がかりで君を攻撃させてもらう」
ジョセフが言う
「まあ そうお急ぎになると損をしますよ」
そう言いながらダービー弟は戸棚を開ける
バクンンン
「その前に御覧にいれましょう 兄もあなた方にお見せしたと思いますが・・・・・・・自分のコレクションを・・・・・・」
「!!?」
驚く花京院
承太郎は黙っている
「コレクション・・・・・・・!?」
ジョセフがつぶやく
ギギギギギギギギギ
ゆっくりと扉が開く
ギギギ
戸棚の中にあったのは・・・たくさんの人形
ギギギ6

30センチくらいの人形が15体、戸棚の中と扉の裏に並べられている
「わたしも 兄と同じにささやかながら集めているのです まあ自慢のコレクションというものは他人に見せて賛辞の言葉を聞きたいと思うものです」
老若男女、いろんな顔をした人形たちを示すダービー弟
「こいつまさか・・・」
承太郎がつぶやく
「人形!?な・・・なんだ この人形は?」
取り乱す花京院
「ちがうぞ花京院 ダービー兄弟に限っての場合 こいつはただの人形と違うんだっ」
汗びっしょりでジョセフが言う
ギョロ
その時、可愛い女の子の人形の目が片方だけ動いた
「!」
それに気づく花京院
グググ
その人形は苦しそうに少しづつ動いている
ビググ
人形の瞼が痙攣する
グググ
唇がわずかによだれを垂らしながら動く
中には食いしばった歯が並んで見える
「ダ〜ビィィ〜ウウウウ わたしに話しかけて・・・」
目から涙、唇からヨダレを流しながら人形がうめくように話しだす
「テレンスダービーィィィ ウウウ さびしいの?わたしと話をしてちょうだい・・・おねがい お話を!話ヲヲヲヲ〜〜〜〜」
ググググググ
バァアアアアーッ
すると戸棚じゅうの人形がみんなうめきだす
「ダービィー〜〜〜〜〜ウウウウ」
「オオオオオオオオオオ」
「ウウウウウウウウウ」
「助けてくれェ〜」
「助けて〜〜〜」
「オオオオオ〜」
「オオオオダービー様ァァァァァァ」
ウウウウウウウウウ
「フフフフフ」
口々にうめく人形たちを笑っているダービー弟
オオオ
「OH MY GOD・・・・・・・・・」
ジョセフふがおののく
「生きている・・・・・・・ こ・・・・・この人形らは生きている」
オオ
花京院は汗だくになって言う
「て・・・・てめー・・・・・・魂を」
オオオオオ
承太郎がクールに言う
「わたしの趣味は人形を作ることです そして 本物の人間の魂をこの人形に宿らせたのです」
ウウウウウウウ
何食わぬ顔で言うダービー弟
「バラしてしまいますが これが私の『スタンド』の能力」
「兄のコレクションはつまらなかった ただ魂のコインを並べて楽しむだけで 単純で底が浅い」
オオオオオオオオ
ダービー弟は話し続ける
「わたしのは着せ替えをしたり 話をして楽しめる たとえば彼女の名はソニア」
戸棚の中から一体を取り出すダービー弟
それはさっきの女の子の人形
「華麗なる恋の体験談が楽しい女だ」
人形の首のあたりをなでるダービー弟の指
ナデナデ
「ハダがきれいでしょう シャネルの服が好きというんだが 今はジャンニ・ヴェルサーチのデザインを私が小さく作り上げたものを着ている」
ダービー弟は言う
「ダービィ〜〜〜〜 ああ〜〜〜ダービィー」
人形がしゃべる
「どこに出しても恥ずかしくない美人だ」
そう言って次の人形を見せるダービー弟
「エリオット医師は殺人鬼だ・・・・・8人殺している」
オオオオオ
「ウアアア」
人形がうめく
「殺した患者の話が楽しめる このメガネも聴診器もわたしが作った」
次の人形を示すダービー弟
「この日本の少年タツヒコはIQが190もあるヤツでかなり手ごわい」
ブサイクな子供(ヒゲがはえてるが?)の人形 泣いている
「ママァ〜〜〜〜 ママア〜〜〜」
「こいつはTVゲームの達人だったので 負かして魂をうばいとるのには 苦労しました」
「こいつ 兄弟して異常なヤツだ・・・!いや・・・・・きさまの方が兄キ以上だな ムカツキ加減がな」
いまいましそうにジョセフが言う
「紳士ぶっているが 最低のサイコ野郎だ・・・・・・ヘドが出る」
汗びっしょりで花京院が言う
「・・・・・・・・・」
承太郎は黙っている
「ところで 兄との勝負の時 体験したと思いますが・・・人間の魂というものは実に不思議だ」
ダービー弟が話しだす
「『敗北』する時!自分の『敗北』を自分で認めた瞬間 魂のエネルギーは限りなく0に近くなる・・・・」
戸棚に人形をしまって扉を閉めるダービー弟
「その一瞬をねらって 相手の魂をひきずり出すッ!それがわたしや兄のスタンドの原理!」
「もういいッ!話はいいッ!きさまの『スタンド』の話なぞムカツクだけだッ!」
話をさえぎるジョセフ
ドドドドド
「早いとこ きさまをたたきのめして先へ進むだけだッ!」
そう言ってスタンドを出すジョセフ
ドドドドド
ジョセフの言葉に花京院もスタンドを出す
ドドドド
承太郎の背後にもスタープラチナ
「話はきかなくてはならないッ!」
ダービー弟が叫ぶ
「少なくとも承太郎!あなたはわたしのペースにすでにはまっているッ!」
勝ち誇ったような笑みを浮かべて言うダービー弟
それを聞いて黙るジョセフと花京院と承太郎の横顔
「承太郎・・・・・・・・あなたは さっき『右腕か左腕』かでわたしに攻撃を読まれショックだったろう?そして『なぜ』読まれたか!未だに謎がわからない」
ダービー弟に重なるアトゥム神の姿
「・・・・・・・」
承太郎は黙っている
「ま・・・敗北を認めてはいないのですが・・・・・・かなりのショックだった・・・」
アトゥム神が言う
「『魂』にスキができましたよ 承太郎様 あなたの『魂』にちょっぴりですがさわることができました・・・・・で・・・・さわってどうしたと思います?」
「!」
その言葉にハッとする承太郎
承太郎は制服のそでをまくる
するとその腕に何かができている
ドン
それは手の形をしたもので、承太郎の腕をつかんだようにくっついている
「なッ・・・なにィッ!」
叫ぶ花京院
「なんだッ!これはッ!手が承太郎の右腕の中にッ!」
叫ぶジョセフ
「わたしのスタンド『アトゥム神』の腕をあなたの腕にくいこませたままおいてきたのです」
ドドドドドドド
アトゥム神には腕の先が無かった
「このままあなたの右腕をつぶせばDIO様は さぞ喜ばれるでしょう・・・・・・?しかし承太郎の右腕をつぶした瞬間 わたしもすかさず花京院とジョースターさんのふたりの攻撃をくらい ひとたまりもなくやられてしまうでしょう・・・・・・そいつはごめんです」
ダービー弟の鬼気迫る表情
ゴゴゴゴゴ
「そこでひとつどうです みなさん『魂』を賭けてゲームをしませんか?わたしが完全なる負けを認めれば腕をはなしましょう」
バン!
ダービー弟のそばのテーブルのモニターには『GAME START』の文字
「なにッ!」
ジョセフが叫ぶ
「・・・・・!!」
花京院が身構える
「やれやれ・・・もうすでにてめーのペースにはまっている・・か・・・」
承太郎がつぶやく
「たしかに・・・・・・・しかし オレをはめたことを後悔しねーようにな・・・・・・・・ダービー」


←TO BE CONTINUED




(つづく)


3日がかりでノベライズしましたが
この巻は私とジョジョが出会った巻です。
私は1992年の正月、旦那の実家に行って甥っ子の持っていたこの25巻が置いてあったのを読み
何だかよくわからないまま帰ったあと、その謎を解くべく貸し本屋で24巻までを借り、ハマりそして結局全巻買ったのでした。
もしこれが、話の完結している巻だったら続きを読もうと思わなかったかも知れませんし
スタンドの出ていない1、2部だったらこうも惹かれてしまわなかったと思います。
それほど私とこの25巻との出会いは運命的だったと思います。
私をジョジョと出合わせてくれた甥っ子は、ちょうど7年前の11月、自らの命を断ってしまいましたが
私はこの巻を読むたび、ダービー弟と承太郎たちの戦いを繰り返し読んでは彼の事を思い出します。
ありがとう。ジョジョと出合わせてくれて。

というわけで、私にとって一番思い出深い巻をノベライズすることになりました。
この時は登場人物の背後に現れる『スタンド』の意味とヴィジョンがものすごく不思議でしたね・・・
なぜこんな奇妙な形のものが人間についているのか、そしてなぜ『能力』がそれに伴うのか
この巻では出てこない『DIO』の姿や過去もすごく気になりましたし。
ふしぎな部屋を舞台に、不条理な状態で展開されるのが・・・TVゲーム。
なんでこんな切羽詰った状態で、のん気にゲームなんかやらなければならないのか・・・それも魂を賭けて。
ゲームマンガというと、私はそれまで『ゲームセンターあらし』くらいしか知らなかったんですが
それとは全く違った切り口で、ものすごく緊迫した勝負がここから展開するわけです。
私は考えましたね・・・タマゴが先かニワトリが先か・・・
いや、荒木先生がゲームでの勝負を描きたかったのか、それとも勝負のかけひきをさせるために、ゲームというツールを使ったのか
ストーリーに組み込まれた劇中劇のような2重の構造が、すごく魅力的だったし面白かったです。
当時私はけっこうゲームをやってましたしねえ・・・いまは全くそんなヒマは無いですが。
せっかくの1部ゲーも買ったはいいけど次男にやらせているだけで画面さえ見てません。(泣)

さて、この回のハイライトは何と言ってもダービー弟の異常なコレクションですね。
人形というとこの時代、宅八郎の持っている森高千里のフィギュアを思い出したものですが
このダービー弟の場合は手作りですからキモさも人一倍ということです。
人形作りが趣味のみなさんごめんなさい。人形を作るのがキモいというんじゃなく
その人形を作る目的がものすごく邪悪でキチガイじみているという事です。
ダービー弟はきっと、ターゲットを決めてその人形を作ってから勝負を挑むんでしょうねえ
でないと勝った時すぐに魂を封じ込められませんからねえ
だからきっと、ダービー弟はこの時点で、承太郎たち全員の人形を作ってどこかに隠しているのでしょう。
それを作るときの彼は、ウットリとその中に魂が入り
人形に封じ込められた苦しみにうめきながら、人形たちが自分に媚を売るのを夢見ていたわけです。
うええええええなんつーサイコだ!
こりゃ今まで出会ったどのスタンド使いよりもねちっこくそれぞれのデータをガッチリと調べ上げて来た手ごわい相手じゃあないでしょうか?
1度に全員を相手にしたダービーの兄もそうでしたが、一人を人質にしてどんどんと残りのメンバーを手中に収めていくやり方・・・
こりゃダービー弟戦は長い苦戦になりそうですね

それでは詳しいツッコミは明日の『勝手にギアッチョ』でやります。
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリーヴェデルチ!


ウルトラジャンプにはアンケートはありません。
が、プレゼント応募券に書く項目にはしっかり『面白かった作品』の項目が。
というわけでプレゼントが欲しくても欲しくなくても毎号出して『スティール・ボール・ラン』を応援することにします。

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