これは、昔のジョジョをノベライズしてツッコミや感想を書いたコーナーです。

亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その2

扉絵は無し。
最初のコマは二人のセリフだけ
「ジョースターさんが待てといった10分がたった」
「ポルナレフ 突入する前にひとつだけ言っておきたい」
一歩前に出て迷宮のような館の中を覗き込んでいるポルナレフに背後からアヴドゥルが言う
ポルナレフのすぐ後ろにはイギーもいる
館には不思議な煙のようなものがたなびいている
「わたしは もしもこの館の中でお前が行方不明になったり 負傷しても助けないつもりでいる・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
黙っていたポルナレフが振り返る
「イギー おまえもだ」
アヴドゥルはイギーにも言う
「冷酷な発想だが 我々はDIOを倒すためにこの旅をしてきた・・・・・・・おまえたちの方も もわたしがやられたり・・・・・おまえたちとはぐれても・・・・・わたしを助けようとしないことを約束しろ」
自分を指さして言うアヴドゥル
「自分の安全を第一に考えるのだ・・・・・・ひとりを助けようとして 全滅してしまうのはさけなくてはならない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黙っているポルナレフ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
厳しい目つきのポルナレフ、イギー、アヴドゥル
「ああ わかったぜ・・・・・アヴドゥル」
ポルナレフが言う
ス・・・
そしてアヴドゥルに手を差し出すポルナレフ
ガシィッ
二人は固く握手する
「生きて出てこれたなら 豪勢な夕飯をおごれよ」
ポルナレフが言う
ポルナレフの少し笑ったような晴れやかな表情
「イギーにもな」
アヴドゥルの表情は優しい
「よし 入るぜッ!アヴドゥル!イギーッ」
シュッ
ひざまずいて用心深く屋敷の戸口から中に入ろうとするポルナレフ
「銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)!!」
ズキューン
チャリオッツがポルナレフの前に出る
コン コン
チャリオッツは剣の先で床をつつくように確かめる
スッ
その場所に踏み出すポルナレフ
サッ サッ サッ
ポルナレフはすばやくアヴドゥルの前に出て右へ左へ壁伝いに注意深く調べながら進む
ス!
ピタ!
鍵穴のような形の入り口の左右に分かれ中をうかがうポルナレフとイギー
ス!
アヴドゥルもそのうしろにつく
ゴゴゴゴ
中を覗き込むポルナレフの横顔
その顔色は青ざめ汗びっしょりになっている
中はこの廊下以上に複雑で広くどこまでも続いているように見える迷宮だからだ
ウフォオオオオオ
「おいアヴドゥル どうする?延々続いて見えるぜ」
ポルナレフが言う
「うむ ジョースターさんは館に火を放てといったが・・・・・こんな遠大な迷路では 火を放つのはこっちが危険だ・・・・それより」
アヴドゥルは言う
「『魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)』!」
ギャース!
アヴドゥルの背後から飛び出るスタンド
ボ!ボ!ボ!
空間に火の玉が6つ浮かび上がる
6つの火の玉はそれぞれ上下前後左右に位置し細い炎でつながっている
ユラユラユラユラ
その炎で作った羅針盤のようなものを手の中で操るレッド・マジシャン
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
じっとそれを見ているイギー
「・・・・・・・?」
不思議そうなポルナレフ
「この炎は生物探知機だ・・・・・人間 動物の呼吸や皮膚呼吸・・・・・物体の動く気配を感じとる・・・・・・・『スタンド』のエネルギーの動きもわかる・・・・これを見てこの迷路を進もう」
アヴドゥルが言う
「なぜ炎が6つかたまっている?」
ポルナレフが聞く
「それぞれが前後・左右・上下の方向を示す 半径は15m以内にいるものなら どの方向にどんな大きさの物が隠れているかわかる!」
炎を先に進ませながらついていくアヴドゥル
「ジョースターさんたちは地下へ向かって連れ去られた・・・下へ向かおう」
ユラユラユラ
階段を下りるアヴドゥルたちの前をゆく炎
ボボボッ!
急に炎のうち2つが大きくなる
「!」
ボワッ ボワッ
大きくなっている炎
ボ!ボッ ボボボ!
「早くも炎に反応だ 左前方になにかいる!」
アヴドゥルが言う
「なに!」
ポルナレフが叫ぶ
「!!」
その時、ポルナレフは何かに気づく
クン!
イギーが鼻を鳴らす
クン!クン!
何かのニオイを嗅いでいるイギー
「『愚者(ザ・フール)』」
ガオーン
イギーのスタンドが出る
ドガッ!
ザ・フールはバウンドするように近くの壁を蹴った
「あっ!」
叫ぶポルナレフ
「!」
アヴドゥルもハッとする
グワラグワラ
壁が崩れて中からピッコロ大魔王のような格好の男が出てくる
「うっぎゃあーッ」
男は胸から血を吹き出している
「あっ!」
叫ぶポルナレフ
「!」
アヴドゥルもハッとする
イギーが男を見つめている
ドサッ
倒れる男
「おいおい!な なんだこの男は?」
ポルナレフが聞く
「は!」
アヴドゥルは周りを見まわして言う
「まわりを見てみろポルナレフ」
するといつの間にか迷路のようになっていた回りの景色が普通の大きな屋敷の内部になっている
「ああっ!この館の迷路がッ!」
叫ぶポルナレフ
パァアアアーッ
「消えている!」
「どうやらこの幻覚を作っていたスタンド使いだったらしいな・・・・・・あっという間にイギーがやっつけたぞ」
アヴドゥルが言う
男の名はケニーG
幻覚のスタンド使い 戦いもせず再起不能(リタイヤ)
「これでこの館の間どりも普通に戻ったわけだ」
アヴドゥルが目の前に炎の探知機を置いて言う
「炎には今・・・生物反応なし」
そう言いながらアヴドゥルは何気なくそばの壁に手を触れている
ふと気づくとその壁には何か小さな字で落書きがしてある
「!」
壁に彫られたようなその字を読むとそこには
『このラクガキを見て うしろをふり向いた時 おまえらは』
とある
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黙ってそれを読むアヴドゥル
ゴゴゴゴゴ
『おまえらは』のあとの部分はちょうど自分の手の下になっている
アヴドゥルはなんだこれはというような顔をしながら炎をチラと見る
炎に動きはない
そしてポルナレフの後姿
ゴゴゴゴゴ
目を見開くアヴドゥル
ゴゴゴゴ
そして手の下になっている文字は・・・
ズ・・・
指をずらすとその下の文字が読める
うしろをふり向いた時 おまえらは
死ぬ』
アヴドゥルの目
『死ぬ』の文字
ユラユラユラ
空中でゆらめく炎
まったくアヴドゥルの様子に気づいていないポルナレフとイギー
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
らくがきを見てそのまま硬直しているアヴドゥル
炎は変化なし
炎には異常なし
イギーの鼻にもなにもにおっていないようだ
アヴドゥルは探知機の炎とイギーの後姿を見てそう思う
イギーの後姿
アヴドゥルの後ろ姿
その首がゆっくりと振り返る
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
アヴドゥルの目は何かを見る
クォォオオ
それはいきなり空間に浮かび口から自分の体を吐き出すようにして姿を表したヴァニラ・アイスのスタンドの姿
い・・・いったいなんだ こいつは〜〜〜ッ!
バカ・・・な イギーの鼻にも わたしの炎にも反応していないのに いきなりあらわれた!!
驚きに見開いたアヴドゥルの目
「ポルナレフッ!!イギーッ!危ないッ!」
ババン
アヴドゥルは叫びながらポルナレフたちに飛びかかる
「!!」
いきなりアヴドゥルの両手に突き飛ばされ吹っ飛ぶポルナレフとイギー
バギャッ
ガオン!
すると次の瞬間!何かわからない『輪』のようなものが現れてアヴドゥルの腕以外の部分が消える
スドドーン
吹っ飛ばされて床をすべるポルナレフとイギー
「うぐぐぐっ」
うめきながら起き上がるポルナレフ
「!」
しかしその時ポルナレフの視界に入ったのは・・・
「お・・・おい アヴドゥル!どこだ? な・・・なんだ今のはいったい?」
さっき自分を突き飛ばしたばかりのアヴドゥルが忽然と消えたので驚くポルナレフ
シューッ
シューッ
しかしその場所にはアヴドゥルの2本の腕が残って切り口から煙を上げている
シューシューシューシュー
「な・・・なんだ こ・・・この腕は・・・・・お・・・・・おい!アヴドゥル どこへ行った!?」
汗びっしょりで叫ぶポルナレフ
ズォオオオオ
床を這う妖しい煙(瘴気?)
「ハアハアーッ ハアハアーッ ハアハアーッ」
イギーも汗びっしょりで荒い息をしている
「アヴドゥルゥゥゥーッッ!」
絶叫するポルナレフ



←TO BE CONTINUED

(つづく)


アヴドゥルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!
うわー!!これはショッキングです!
この巻、最初からイヤな予感がしていました。
館に入るにあたって、わざわざ「仲間を助けない。探さない」と宣言してポルナレフもそうしろと言うアヴドゥル。
しかしそんなアヴドゥルはかつて、ハングドマンに刺されそうになったポルナレフをかばって一度死に掛けていたじゃあありませんか。
「ひとりを助けようとして全滅するのだけは避けなければならない」というのは、そんな過去の事件を振り返って
自分とポルナレフをいましめようと言ったのだと解釈することが出来ます。
しかしそのあと「生きて出て来れたなら豪勢な夕飯をおごれよ」というのは・・・
これはいわゆる『死にゼリフ』!!!
かつて幾多のキャラクターたちが戦いに際して、「無事だったら〜」「これが終わったら〜」と自分のささやかな夢や希望を語った後
無残に帰らぬ人となって言ったのでした。
そう、2部で「帰ったら婚約者が待ってる」と言った直後、柱の男とぶつかっただけで体をえぐられ死んだマルク。
あの時のようにあっけなくむごたらしい運命がまたもやアヴドゥルを襲ったのです!!
鬼や!荒木先生、あんたは鬼や!!
いえ、面白くするためには泣いて主要キャラを斬る、それが漫画家の因果な定めなのですね。
ああ、ハングドマン戦で九死に一生を得たアヴドゥルだからこそ、またもやポルナレフをかばってしまう。
これは15巻からの11巻分にわたる長〜〜い伏線だったと言えるかも知れません。
それにしても悲しい!悲しすぎますアヴドゥルゥゥゥゥゥ!!!!!

らくがきの効果がすごいですね。
スリラーの手法を使った「振り向くと何かが襲ってくる」という恐怖。
そのためにわざわざ『有用な』炎の探知機とイギーの鼻を使って迷路のスタンド使いをやっつけて見せたわけですが
そんな2重のセキュリティを難なくすり抜け、ワケのわからない登場の仕方&j攻撃で襲ってくるヴァニラ・アイス!
こわいいいいいいいい!!!!!!
いえ、一番恐ろしいのは前の話で見せた「恐ろしいまでのDIOへの忠誠心」なのですが
そういうドス黒い狂信ぶりと全く死を恐れないロボットのような心、しかもこの「らくがき」に現れている陰湿なやりくち!!
ヴァニラ・アイスは今までの敵とは一線を画したサイコな強敵のようです。
がんばれポルナレフ!逃げるなイギー!!
犠牲になって助けてくれたアヴドゥルの分まで生き抜いて!!


それでは詳しいツッコミは明日の『勝手にギアッチョ』でやります。
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリーヴェデルチ!


ウルトラジャンプにはアンケートはありません。
が、プレゼント応募券に書く項目にはしっかり『面白かった作品』の項目が。
というわけでプレゼントが欲しくても欲しくなくても毎号出して『スティール・ボール・ラン』を応援することにします。



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