これは、昔のジョジョをノベライズしてツッコミや感想を書いたコーナーです。

亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その8

ドドドド
砂の中のポルナレフの手
落ちてくるイギーのスタンドの砂
こ・・・この砂から感じる感覚は!
ああ・・・なんてこった・・・くそッ!
『ぬけがら』
『スタンドのぬけがら』
『冷たい消滅』
『命の消滅』・・・
ショックを受けた表情のポルナレフ
その顔が悲しみに包まれる
ちくしょう・・・おれの方が生き残っちまった!
溝の中で砂をかぶって動かなくなったイギー
血だらけの顔
「イギィーッ」
叫ぶポルナレフ
バギバギバギ
チャリオッツはヴァニラ・アイスの眉間に剣を突き刺している
ググッ
ヴァニラ・アイスの後頭部に抜けたチャリオッツの剣
それを左手でつかむチャリオッツ
ゴギャアーッ
両手で剣を串刺しにしたヴァニラ・アイスの頭をひねるチャリオッツ
ドゴォーン
そしてそのまま地面に激突する
ポルナレフも地面に落ちる
苦悶するヴァニラ・アイスのスタンドの姿が薄くなる
ヴァニラ・アイスは倒れたまま動かなくなった
バアアァァアァーァァァ
スタンドで描いた渦巻きの上に倒れているヴァニラ・アイスとポルナレフ
サラサラ
サラサラサラ
上から降ってくる砂
サラサラサラ
それはイギーのなきがらを隠すように降り注ぐ
砂の中で眠るように死んでいるイギー
ちくしょう・・・・・・・
なんてこった・・・・・
おれは こいつのことを好きだって
事が今わかった・・・・・・

おれっていつもそうだ ・・・いなくなって
はじめてわかるんだ

ひねくれた
クソ犬と思ってたけれど
どんな人間にもなつかない
つっぱったおめーが
好きだった・・・・・

いっぺんも愛想を
ふりまかねえその性格は
本当に誇り高い奴だったってことが
今になってわかった

イギーの屍をみつめるポルナレフ

おれを助けるなと
いったのに く・・・くそ!
そのつっぱった
性格のために
・・・・・・・
・・・・・・・く・・・
・・・くく・・・
・・・・・・・

辛そうなポルナレフの表情
その手はイギーの方に差し出され撫でようとしている

その背後に横たわるヴァニラ・アイスの死体
その死体が徐々に音も無くゆっくりと起き上がる
ポルナレフは振り返らない
起き上がったヴァニラ・アイスはスタンドを出してポルナレフを襲う
ドドドドドドドドドド
大口を開けてポルナレフを飲み込もうとするヴァニラ・アイスのスタンド
「・・・・・・・・・・・・・・やはりな・・・ヴァニラ・アイス てめー」
振り返らないままつぶやくポルナレフ
ヴァニラ・アイスの目
「ぐあああああああ!!」
ガオオオオ
ポルナレフの頭を飲み込もうと襲い掛かるヴァニラ・アイスのスタンド
「おりゃあーあああああ!!」
ポルナレフはそっちを見ないままチャリオッツを出しチャリオッツも後ろ向きのまま剣でのラッシュを繰り出しヴァニラ・アイスのスタンドを穴だらけにする
ドギャドギャドギャドギャ
穴だらけになるヴァニラ・アイス
ドバドバドバババ
血を体中から吹き出すヴァニラ・アイス
バゴッ
そしてヴァニラ・アイスは吹っ飛び後ろの壁に頭から激突する
ビシィィッ
しかしすぐに勢い良く立ち上がるヴァニラ・アイス
ダン!
ヴァニラ・アイスは穴だらけの顔でにらんでいる
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうりで妙だと思ったぜ・・・・・この不死身・・・・・・・DIOになにかされたってわけか」
ポルナレフが言う
「うぐあああああああ--------ッ」
穴から血を吹き出しながら叫ぶヴァニラ・アイス
スカッ スカッ
チャリオッツは剣を十文字に閃かせてそばのドアを斬る
ドアの向こうの廊下の窓が見えそこから夕方の陽光が差し込む
「!」
ボゴォッ
その陽光がヴァニラ・アイスの腕に当たると腕が土くれのように崩れて落ちる
それを信じられないような目で見つめるヴァニラ・アイス
「ぐえ!」
ドシューッ
叫ぶヴァニラ・アイス
腕の傷口から吹き出る血
「な・・・なんだ こ・・・これはァ〜〜〜〜!?」
驚くヴァニラ・アイス
「てめー自分で自分の体の変化に気づいていなかったのか?血をもらったろ?話に聞いていた吸血鬼になりかけていたとはな DIOと同じ体質に・・・」
ポルナレフが言う
「きさまあああ---ッ!!」
ドアッ
走り寄ってくるヴァニラ・アイスの足
その足が太陽の光の差す場所を通ったとたんにまた崩れて消える
ボゴォッン
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無言でその足を見つめるヴァニラ・アイス
「口の中に剣を突っこんだあたりから 吸血鬼になりかけてたようだな ほれ!今こそ執念出して何とかしてみろ DIOを守る執念があんだろ?何とかしてみろよ!あ!?」
陽の光の中でひざまずき、両手でヴァニラ・アイスを誘うポルナレフ
「うぐあああああ!!」
シューシューシューシュー
ヴァニラ・アイスは溶けた足に苦悶して叫んでいる
「こいよ!ここだぜ さあ どうした ヴァニラ・アイス!きなよ」
しつこく煽るポルナレフ
「キサマなああんぞにィィィィィィーッ・・・・・・」
叫ぶヴァニラ・アイス
「地獄でやってろ」
静かにポルナレフは言い放ちチャリオッツは後ろ向きのまま背後のヴァニラ・アイスを光の中に突き飛ばす
バゴォォオ
光の中に入るや否や崩れるように掻き消えて行くヴァニラ・アイス
オオオオオオオ
服とアクセサリー、クツだけが崩れずに残っている
部屋の壁にはさっきヴァニラ・アイスが開けた無数の穴が横一列に繋がって開いていてそこからカイロの町が見えている
イギーのなきがらから煙のようなものが出てくる
そしてそれは壁の穴からカイロの空に登っていく
バアアァアーッ
光降り注ぐカイロの空に立ち上る煙
それは何かの形になっていく
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
じっと見ていたポルナレフはそれに気づく
煙の先が何かの形になってまとまっていく
驚くポルナレフの目
それはだんだん人の後姿になる
振り向くとそれはアヴドゥルの顔
そしてアヴドゥルはイギーを背中にとまらせている
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何も言わない真っ白い煙で出来たアヴドゥルとイギー
「ア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ア・・・・・・・・・・」
目を見張るポルナレフ
カイロの町に浮かぶアヴドゥルの横顔
「ア・・・アヴドゥル!イ・・・イギー」
叫ぶポルナレフ
ズル!ズダダン
「グ」
しかしポルナレフは滑って床に倒れる
「ハッ」
顔を上げるとそこにはもう煙で出来たアヴドゥルとイギーの姿は無い
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
愕然とするポルナレフ
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
キョロキョロしているポルナレフ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・げ・・・幻覚・・・・・だったのか・・・それとも・・・・・・・」
座ったままつぶやくポルナレフ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲の切れ目から無数の光がカイロの町に降り注いでいる
それを見つめるポルナレフ
「とにかく これからおれは階段をのぼってDIOの所へ行かなくてはならない・・・・・・今のおれには悲しみで泣いている時間なんかないぜ」
遠くを見るようなポルナレフの目
ヨロヨロヨロ
ズズズズ
よろめいて足を引きずりながら立ち上がるポルナレフ
グググ
そしてひざに手を置き立ち上がる
その手の上に落ちる涙
アヴドゥル死亡
イギー死亡

←TO BE CONTINUED

(つづく)


イギーィィィィィ!!!!!(先週からしつこい)
そして
アヴドゥルゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!
今回はモノローグが多くてムリヤリ引っぱった感じもしますが、感動的な回です
一瞬で消えてしまったアヴドゥルの時と違い
目の前で冷たくなっていく、そしてスタンドが消えていくのを見守っているポルナレフ
その悲しみと苦痛を表現する独白部分が秀逸です
もちろん戦いながらの話ですし、イギーのスタンドから落ちながらの部分なんかは一瞬なのでしょうが
本当に絶望感、喪失感がよく表現されていると思います
そして煙になって空に消えていくアヴドゥルとイギーの姿!
霊の姿を描くというのは陳腐な表現かも知れませんが
それでもアヴドゥルのなぜか穏やかな表情、そして落ち着いたイギーの様子が
戦い、そして出来るだけのことをして、ポルナレフを生き残らせて次に繋げたという満足感を表現していると思います
とてもとても美しい、そして悲しい描写ですね
霊の存在を、荒木先生は割と良く描かれるようですが
怪談に出て来るような恐ろしい、恨みを持った存在ではなく
なにか人間を超越し、自分の運命を受け入れて悠然としているようなものとして描かれることが多いようです
先生にとって霊とは、人の体を捨て、何事にも縛られなくなった自由な存在なのでしょうか
それは先生の亡くなった大事な祖父のことに繋がるような気がします
大事な人を失ったことがあるからこそ、
その行く末を幸せで、自由な存在としてとらえたく思っているのでは無いでしょうか
そしていつでも見守ってくれているような気持ちにさせてくれる
先生にとっての霊とは、そういう暖かな気持にさせてくれるものなのですね

さて、不死身で超強いヴァニラ・アイスの最期はあっけないものでした。
自分が吸血鬼にされ、思わぬ弱点を背負ってしまったことを知らないでいた
それは大きな盲点だったと思います・・・DIOの。
DIOは何よりも信頼するヴァニラ・アイスを頼もしく思い、無敵の体を与えたつもりになっていたのでしょうが
それをヴァニラ・アイスに伝えてなかったばかりに、ヴァニラ・アイスは自分で自分の墓穴を掘ってしまっていましたね。
壁に開けた無数の穴が文字通りの墓「穴」になったワケです。
しかしそれも、アヴドゥルとイギーを失った怒りのパワーで強くなったポルナレフだったから。
スピードもパワーも、予想以上に伸びていたので不意打ちを食らったようです。
やっぱしアヴドゥルとイギーが力を貸してくれたんだなあ・・・
生き残ってしまった悲しみに、自分のせいで死なせてしまったという罪悪感を重ねて
それでも戦いに向っていかねばならない戦士、ポルナレフ。
いや、ホリィのような人質のような存在を取られているわけでも無いポルナレフですから
いつでも逃げることが出来ると思っていたのですが
これでポルナレフには、2人の仇討ちという重い十字架が背負わされたわけです。
彼らのため、自分のため、そして正義のため
涙もケガも乗り越えて頑張って行くしかないんですね。

それでは詳しいツッコミは明日の『勝手にギアッチョ』でやります。
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリーヴェデルチ!


ウルトラジャンプにはアンケートはありません。
が、プレゼント応募券に書く項目にはしっかり『面白かった作品』の項目が。
というわけでプレゼントが欲しくても欲しくなくても毎号出して『スティール・ボール・ラン』を応援することにします。



[PR]看護師の好条件求人なら:転職のプロがサポート!年間5万人が利用