
これは、昔のジョジョをノベライズしてツッコミや感想を書いたコーナーです。
スージー・Q・ジョースター 娘に会いに来るの巻
バァアアアアー
日本-----
ジョースターたちが出発して以来43日目
街を走っていく一台の車
「ちょいと とめてローゼス 車をとめてちょうだい」
車の後部座席に乗っていた外国の老婦人が運転手に言う
ブオオ
ジョセフ・ジョースター夫人
スージー・Q・ジョースター
運転手は前を向いて運転している
帽子をかぶりヒゲを生やした年配の外国人
バーッ
そば屋の前を通り過ぎる車
「まさか奥様!あの!立ち喰いソバ屋に寄ろうというのではございませんでしょうねッ!?」
車の窓からソバ屋を見て叫ぶ運転手のローゼス
「そうよ!ひさしぶりの日本ですもの!娘のところへ行く前にちょいと食べてみるわッ!あんたわたしのカメちゃんをだいててちょうだい」
大きなカメを持っているスージーQ
「・・・・・・・・・・」
無言のカメ
「とーんでもございません奥様ッ!あれはいそがしい男性のための店でご婦人は利用しないのが日本の常識ッ!ジョースター夫人ともあろーお方がッ!」
降りてムービーでそば屋を撮影するスージーQ
ジー
車から出てスージーQを止めるローゼス
「うるさいわね 記念撮影しておきましょう いいわ いいわ この庶民的雰囲気 グーよ グー!」
はしゃいで撮影するスージーQ
「ナイスアングル グーよ グー」
ジー
新聞紙をかぶって道に寝ている浮浪者を撮影するスージーQ
ジー
電信柱に貼ってある『ゲロ 小便禁ズ』という張り紙を激写するスージーQ
「ローゼスさん・・・」
ローゼスが振り返るとそこにはカメを持たされた背広姿の男
「夫人には 娘のホリィさんの病状のことは言ってないのですか?」
男はスピードワゴン財団から出向しているらしい
SPW財団の男
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
絶句するローゼス
「早くきなさいよローゼス!早く!」
大声で呼ぶスージーQ
「い・・・今 まいります」
振り向くローゼス
「・・・・・・・・・・・・・・・」
黙ってローゼスを見ているSPW財団の男
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黙って首を横に振るローゼス
「ま・・・まだ言っておりません この日本へきたのも 軽い肺炎の見舞いと思っておられます わたしはジョースター家に30年お仕えしております ホリーお嬢様が小学校に行ってたころからでございます 本当のことをお教えしなくてはならないのですが とても・・・その・・・勇気がなくて・・・・・言い出せないまま・・・日本に着いてしまいました」
苦悩の表情で語るローゼス
「ホリィさんの体力は もう限界です もってあと数日の命です これから・・・・・・夫人がホリィさんに会う前に知っておいたほうがいいと思います・・・わたしからお伝えしてもいいのですが・・・・・?」
SPW財団の男はクールな表情で言う
「い・・・いいえ ホリィお嬢様に関して わたしはずっと奥様にウソをついてきました このわたしから話します・・・」
うつむいて苦しそうに言うローゼス
バシバシビシビシ
ひしめきあうイバラ
ビシビシビシビシビシビシ
それはホリィの体をがんじがらめに締め上げるイバラのスタンド
ホリィは汗びっしょりで苦悶しながらそれに耐えている
「でも・・・本当にDIOという男を倒せば治る可能性はあるのですか?」
ローゼスは聞く
「はい・・・その男を倒せたらですが・・・詳しい話ははぶきますが『スタンド』という見える者だけに見えるエネルギーにホリーさんの肉体は反応し圧倒されているのです それもDIOという男の邪悪なエネルギーに・・・・・・・」
カメを持ったまま話すSPW財団の男
「夫人にスタンドは見えません しかし『死相』というものは会った瞬間感じるものです こおで・・・今・・・・ジョースター夫人に話しなさい・・・・・」
SPW財団の男もうっすら汗をかいている
「し・・・『死相』・・・」
目をむくローゼス
「ほらローゼス なにしてんのよ!あんたもカレーウドンたべなさいよ!」
スージーQはもううどんを食べている
振り返る2人
ローゼスはSPW財団の男を見、男は黙ってうなづく
コクリ
「お・・・奥様 お話し したいことが・・・」
切り出すローゼス
「あッ!」
しかしスージーQは何か他の事に気を取られる
「この奇妙なドリンク剤の自動販売機も撮っておきましょうかね!グーよ グー!」
スージーQがムービーで撮ろうとしたのはなんと避妊具の自販機
「なにかのむかいローゼス!?」
「奥様ッ!やめてください!それはドリンクではございませんッ」
あせって両手を振り回すローゼス
「き・・・聞いて下さい奥様ッ!!」
「え?なにを?」
振り返って聞くスージーQ
「じ 実は・・・・・お嬢・・・・・」
うつむいて話し出すローゼス
「あッ!」
突然スージーQは叫んで隣に居た男を激写しだす
「この日本人変わっててカッコイイわッ!グーよ グー!」
ジィーッ
「ハローハロー ギブミー スマァーイルゥ〜」
女連れの男に親しげに話しかけながらムービーを撮るスージーQ
しかしそれはパンチパーマの派手な格好をした・・・
ニラミを効かせる男
画面上に録画時間28:02の文字
「オドレ こら!!なに撮りさらしとるんじゃワレェア〜〜〜ッ」
ズンッ
一歩前に出て怒鳴る男
後ろで微笑む女
ゲェ!
あせるローゼス
「奥様 お車に・・・」
スージーQを抱えて車に乗せようとするローゼス
「イェー」
ぜんぜんお構いなしで男にピースするスージーQ
ピース
ズンズンズンズン
「マタンかいこらッ!なめとんのかッ!そのカメラよこしゃあッ!ワレッ」
スージーQに詰め寄る男
「なんじゃあッ!オドレぁッ!ジンガイのババアがッ!血ィみせたろうかッ!クソババアッ!ァァ〜〜〜〜〜ッ!」
ググ
スージーQの襟首をつかんでスゴむ男
ちょっとあせるスージーQ
ローゼスがハッとする
「おい・・・・・そこまでだ 奥様の体に触れるんじゃあない・・・・・」
そう言うとローゼスは男の腹に思い切り強烈な蹴りを食らわせる
バゴォーッ
「プシャ」
血反吐を吐く男
バギガラガシャアーン
男が倒れこむ音
「奥様ッ!少し日本のことを勉強してくださいッ!」
スージーQに大声で言うローゼス
「ハーイ」
へこんだ様子のスージーQ
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
SPW財団の男はカメを持ったまま一部始終を見ていたが黙っている
い・・・言い出せなかった・・・・・ホリィお嬢様があと数日で死ぬなんて!奥様がショックで悲しむ姿を見るなんて ああ・・・神様
一人悩むローゼス
バアアア^ッ
走る車
ビルの都会を抜け地方の町へ
神社の狛犬が見られる街角
鳥居があり階段が続く
そばの石碑には『明月大神』とある
そして広々とした景色が広がる遠くに山々が見える地方にやってくる
ズァアアアア
ところどころ水田もあるような田舎の町を走る車
しかし遠くに見える家は大きくてモダンだったりする
「とうとう言えずにここまできてしまった もうすぐ空条家が見えてくる 今!・・・・・『ここで言わなくてはッ!』・・・・・わたしから言わなくては」
運転しながら思いつめた表情のローゼス
「う・・・うう」
思わずうめくローゼス
「ローゼス・・・・・・・」
後部座席のスージーQがつぶやく
「わたしに言いたいことがあるのね・・・あなたが悩んでいることは・・・・・・・もうわたしにはわかっています わたしの娘の命が危ないのね?」
横を向いて窓の外を見ながら無表情に言うスージーQ
ハッと驚いた顔になるローゼスとSPW財団の男
キィィ
車が止まる
クルッ
前に向き直るスージーQ
「ニューヨークから電話をすると・・・ホリィは いつも明るく気丈にふるまっていました『ただ・・・ちょっとカゼをこじらせただけ』だって ジョセフも旅先からいつも『元気にしてるよ いそがしい いそがしい』って電話してくるわ」
伏目勝ちにスージーQは言う
「でも わたしには なんとなくわかったの・・・・・・娘と夫にとても大変な事が起こっているって・・・50年もいっしょに生活した夫だし・・・・・・わたしが産んだ娘ですもの」
スージーQは顔を上げる
「わたしもこわかったのです 確認するのがこわかった・・・・・・・娘に会いたいとしきりに思う一方 会いに日本にくるのがこわかった」
「このさいですから はっきり申し上げるべきでしょう ホリィさんの命はあと数日が勝負!ジョースターさんたちは『原因』をとりのぞくためエジプトに行きました いい知らせはまだありません」
振り返ったSPW財団の男が言う
「お・・・教えなかったことをゆるしてください・・・・・・奥様・・・・・ホリィお嬢様にわれわれがしてあげられることがなにもなくて・・・それがつらくて それが残酷で うう・・・う・・・」
下を向いて苦悩するローゼス
ビシッ
しかしスージーQはシャンと背中を伸ばして座っている
「なにをバカなことをいうのですローゼス!ホリィのためにしてやれることがひとつだけあるわ」
毅然と言うスージーQ
「えっ・・・!?」
驚くローゼス
SPW財団の男も驚いた表情をしている
パァァーッ
空条家の立派な日本庭園
障子の日本家屋には広い縁側が続いている
障子が音も無く開く
中には布団に寝ているホリィ
そばに心拍計などの医療機器
スージーQが障子を開けて中を見ている
やつれたホリィが目を開けそっちを見る
スージーQは黙ってホリィを見つめている
ホリィの顔が嬉しそうに、そして泣きそうに歪む
「ホリィ」
やさしい表情で呼ぶスージーQ
「おかあ・・・さん」
横たわったままそばに来たスージーQの体をかき抱きホリィがつぶやく
「ローゼス・・・・いいですか 娘のためにできること・・・・・それは信じることです わたしには 詳しいことはわかりません でも信じます・・・・・わたしのジョセフと孫の承太郎が わたしの娘のために何かをしようとしているのなら そのことを信じます」
障子に背を向け廊下でスージーQの言葉を思い出しているローゼス
「50年前 イタリアであの人と知り合って以来 期待を裏切られたことはただの一度としてありません・・・・・あの人は一度やると決心したら必ずやりとげる人です」
さっきの車の中でのスージーQの言葉
「承太郎とジョセフを信じるのよ 必ず元気になって そして 家族が またいっしょになれるわ・・・・・・」
ホリィの額を撫ぜながらスージーQが言う
「おかあさん・・・・・・・」
つぶやくホリィ
「う う・・・」
廊下に居るローゼスが嗚咽する
ブワッ
溢れる涙
「奥様 お嬢様ァ〜〜〜〜〜」
泣くローゼス
「アヴドゥルとポルナレフは上階に向っているな」
ドドドドドドド
こちらはエジプト DIOの館
「行くぞ承太郎 花京印ッ!!」
叫ぶジョセフの声
バン!
そしてジョセフを先頭に承太郎と花京院の姿
←TO BE CONTINUED
(つづく)
インターバルですね
戦いと戦いの間の「一方その頃日本では」のお話。
私、このお話スキですねえ・・・ホリィがどうなっているか気になっていたのもありますが
何と言っても久しぶりに見たスージーQ!
いや〜ファンキーなバアちゃんだわ。ジョセフ以上だわこりゃ。
2部での20歳くらいのスージーQもノーテンキでお茶目なお嬢さんでしたが
これがずっとここまで続いているんですねえ
何となくさだまさしのヒット曲『朝刊』の中の若妻のオッチョコチョイぶりを思い出すんですが
きっとずっと幸せな結婚生活だったんでしょうねえ
頼もしいジョセフと賢く美しい娘ホリィによって安定した豊かな暮らし。
イライラしたり心配したりすることもなく、ノホホンと娘時代のように笑っていられたんですねえ
いや、スージーQの事だから多少の心配事や悩みがあっても
それで苦悩することなんかなく、いつも明るく笑っていたんだと思います。
それでこそジョセフの選んだスージーQですし、ジョセフのファンキーじいちゃんぶりも
そんなスージーQに癒されてここまで生きてきたおかげでしょう。
いや〜いいなホント、いつまでもバカップルなんでしょうねえ
ジョセフも、スージーQを心配させないようにという事でマメに電話しているんでしょうが
何も無くても出張先からは、いつも毎日電話をしていたんだと思います。
ホリィもそんな愛情溢れる父親を、空港で年甲斐もなく抱きしめたりして。
アメリカン(元はイギリス人ですが)なだけでなく、どんなに離れていてもしっかり心の繋がった
明るく楽しい家庭なんですねジョースター家は。
そんなジョースター家に30年勤めているローゼスが羨ましいです。
ローゼス・・・ちょっとエリナおばあちゃんを大事にしていたスピードワゴンを彷彿とさせる関係ですが
こっちは完璧に主人と使用人の主従関係であり
それでいて、フワフワとあぶなっかしいスージーQをしっかりと守りサポートしてくれる頼もしいローゼスなんですねえ。
ジョセフも頼もしいけど、人間的には型破りの性格ですから
地に足のついたローゼスのような使用人が居てよかったです。
そしてローゼスも心からこの仕事を誇りに思い、ジョースターの人々を尊敬し愛しているのがわかります。
ホリィの事は自分の娘(いるとして)以上に大切に感じていたのではないでしょうか
男と女の感情とはぜんぜんかけ離れたところで、すごいシッカリとした絆を感じます。
それだからこそ、ずっとウソをついていたし苦悩もしていました。
他人のSPW財団の男には計り知れないほどの大きくてしっかりとした愛情と思いやり。
う、うつくしすぎます!!
そしてホリィの病状は読者の想像していた以上に痛々しいもののようですが
この母と娘の再会は本当に美しいシーンですね。
あんなにあぶなっかしい様子をしていたスージーQが実は、全てを予想し気丈にしていたのは衝撃であるとともに
やっぱりそんなシッカリした部分有ってこそ、暴れ馬のようなジョセフの手綱を50年も握っていられるんだなあと感心しました。
母親に心配をかけまいとするホリィの優しい努力同様、すばらしく感動的な親子関係ですね。
「おかあさん」と呼んで抱きしめる様子を見て
私はいつ自分の子供(息子ですが)を最後に抱きしめただろうと思いました。
小学校低学年くらいかなあ・・・泣いて駆け寄ってギュウッとしてくるのは。
あれは美しい時間ですね・・・小さい子がいる人はお父さんでもお母さんでも
ぜひ出来るだけ自分の子供をギュッと抱きしめてその感触をずっと覚えていて下さい。
子供はあっと言う間に育って飛び立って行くものですが
その感触だけは生んで育てて来たものに与えられた特権であり、一生の宝物だと思います。
自分よりデカくなった息子が「クソババア」と言おうが、暴れて留置場に入れられようが
全て許す気になれるのは血のつながりと、その暖かい思いだがあるからだと思います。
承太郎もお母さんのためにガンバレ!
愛情深いホリィのその精神は、6部での承太郎のジョリーンへの気持に繋がって行くんですよね。
ああ、美しいなジョジョ!
それでは詳しいツッコミは明日の『勝手にギアッチョ』でやります。
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリーヴェデルチ!
ウルトラジャンプにはアンケートはありません。
が、プレゼント応募券に書く項目にはしっかり『面白かった作品』の項目が。
というわけでプレゼントが欲しくても欲しくなくても毎号出して『スティール・ボール・ラン』を応援することにします。